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どれにしようかな天の神様の言うとおり。 高校に入ったとき、色々な地域色があることに驚いたのを覚えている。 鉄砲撃ってバンバンバン、もひとつオマケにバンバンバン。 もひとつ、もひとつオマケにバンバンバン。 って、さすがにコレで決めたらまずいですかね。 「決まった?」 「・・・まだ、です」 カタログをパラパラとめくりながら答える。まだに決まってますよ。 思うにこの世界って、科学技術が進歩しているところとしてないところの落差が大きすぎる。 別に先進国と発展途上国とかいうんじゃないけれど、なんというか、それでいて自然と機械が融合しているのだ。 念とか、科学と真っ向から対立しそうな概念なのにね。 たとえば放牧とかの牧歌的な風景の中にでも、高性能発信機が登場したりする、らしい。 イルミさん、牧羊犬の出番は? 木陰であくび。はっきり言えば夢が壊れることはてしないのだけれど。 いやいやいや、それはさておき。 「なんて言いますかね、無駄に機能とかデザインとか色とか・・・多すぎです。そう簡単には選べないですって」 「適当に好きなの選べばいいんじゃない?」 「いやでも、もっとシンプルなのとかないんですかねーこのカブトムシとか、絶対持ちにくいと思いますよ」 そもそもオレンジ色とみかん色が両方ある意味が分かりませんです師匠。ぱっと見おんなじ色なのに。 あ、イヤリング型ケータイ発見。重たそうだなー。 なんか「向こう」でもこんなのが漫画の中に在った気がする。他雑誌だけど。 とか取りとめもなく「向こう」のことなどを考えていたら、イルミさんにジャストタイミングで「向こう」を持ち出された。 「向こうの世界にも、携帯あったんでしょ?」 「そりゃ持ってましたし使ってましたけど」 イマドキの女子高生にはある意味で必需品ですから。 しかしまあこう改めて比較して考えてみると、日本の、というか「向こう」の世界のケータイっていろいろな機種が出ていて年々進化しているように見えて、実はそんなでもなかったのかな、と思う。 こっちのは多民族多言語多文化多趣味その他諸々に広く対応可能でございますってうたい文句が付いているようで。 こんなに詰め込まなくてもいいのに。 いっそシニア用のぐらいがわたしには丁度いいのかもしれない。 索引を人差し指でたどってページをめくる。ああ分厚すぎる多すぎる。 何なんですかイルミさん、パンフレットだけなのに袋が二重に補強されているって。 「は向こうではどんなやつ持ってたの?」 「えーと、ちょっと待ってくださいね・・・っと。あ、こんな感じでシンプルな」 「へー古臭いね」 「・・・自分でも充分分かってますからわざわざ言わないでクダサイ」 イルミさんがわたしの手元からパンフレットを取り上げる。 そこに写っているのは落ち着いた色合いが中心のシニア用。もちろん機能は基本的なものしか付いていない。 「ふーん、折りたたみ式か」 「ええ、どちらかというと四角っていうより丸っこい感じで。ちっちゃいから画面とかも大きくなかったんですけど、それでも2年近くは使ってましたね」 数ヶ月前まで毎日のように(主にアラーム機能を)使っていたホワイトパールの機体を思い出す。 プールに古いのを落としてしまって、新調したんだっけか。結構懐かしい。 「あ。ちょっと」 と、イルミさんがガサゴソと例の針を取り出して、わたしの眉間の前に構えた。 え・・・何? 「・・・イ、イルミさん?」 「纏の状態でもう一度携帯の特徴言ってみて」 「え? 特徴って・・・いや何」 「いいから。さっきの念に揺らぎが見えた」 ゆらぎって何ですかー!? と心中でわめいたところで聞こえるわけでもなし、むしろ気にしてもらえるわけでもなし。 あれよあれよという間にわたしの身体から白い湯気、ならぬ念が噴出しているのが見えるようになった。 先に声かけてくれただけましですよねうん。 「えーと・・・」 「折りたたみ式、で?」 「はぁ、折りたたみ式で・・・丸っこくって小さくて、えと出た当初はかなり薄型の部類で・・・えー、特徴って言われましても」 「その携帯に関することなら何でもいいからさ」 何でも・・・ねぇ。 「あ、それが実はウチの学校の当時の生徒会長とお揃いだったらしくて。結構カッコいい人でしたからちょっと嬉しかったり」 別にもちろん狙って買った訳ではなかったですけど。 それでも乙女心といいますか・・・ミーハーさ? 「・・・・・・・・・ふーん」 「あれ、やっぱりダメですかこういう話?」 「別に。いいから続けなよ」 結局。 わたしのその日からの課題は「ケータイの具現化」になった。 何ですか何なんですかそのチョイス。 というか師匠、鍵のインスピレーションとやらはどこへ? 数週間後、わたしが無事具現化に成功したケータイは正しくわたしが「向こう」で使っていた物と一緒でした。 ある一箇所を除いて。 「な、なんで黒なんですか!?」 「知らない」 追記として。 買い物にはやっぱり行けませんでした。 なのでイルミさんには塩と電池と歯磨き粉に追加して砂糖と味噌とコーヒー豆と洗剤を買ってきてもらうことにしました。お徳用大増量パックで。 この程度じゃ全然負担にならないって分かってますけどね、ええもちろん。 でもやらずにはいられなかったんです。 ウチの主人公に戦闘能力はありません。 戦闘シーンなんか書けるか!! というわけで彼女に戦闘能力は与えられないのです(笑顔)←鬼。 ところで前回のラストが台無しですよイルミさん。 |