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が、目を覚ました。 イルミはその時はただただ安堵した。 なぜ安堵したのかとか思わないくらい、安心して、気が抜けた。 内心必死でいつも通りの自分、を装う。感情の揺れを取り繕う。 無理に起き上がろうとするを押しとどめ、「今水持ってくる」と言い訳をしてイルミは部屋を出た。 そうしないと気を抜きすぎて、いつもの自分を保てないような気がしたからだ。 現に部屋を出たとたん、思わずため息を漏らした。 ヤバイ。 (最近感情が上手くコントロールできない、気がする) 水を汲みながらとりとめもなく思ったが、そんな考えはひとり部屋で泣いている少女を見た瞬間に掻き消えた。 「、何で泣くの」 思わず口について出た純粋な疑問。 は大きな動揺を見せ、差し出したコップを落とし、わめく。血の気の失せた頬に二筋、涙が伝う。 混乱しているのか、それもしょうがないと頭のどこかでイルミは冷静にを観察する。けれどもその一方で自分も混乱していることに気付いた。 どうしたらいい、どうすれば宥められる? 長男という立場上、年下の子供の相手はそれなりに慣れているという自負を持っているイルミだが、自分の弟たちが世間一般の子供の性格と違うということは分かっていない。 ましてや、ほとんどイルミが育てた弟たちは自分に絶対服従で(すぐ下の次男は除くとして)いきなりわめきだすということなどない。 声をかけても、拒絶される。どうしたら、どうしたらいい。 手を伸ばしても、払われる。 話しかけても、声をかけても。イルミの声は幾度となく拒絶された。 どうしたら、泣き止んでくれる? イルミにはただ見つめることしか出来なかった。 「もういやだっ!!」 そう叫んだ瞬間、の身体が傾ぐ。 失念していた、イルミは心の中で自分の失態を罵った。 興奮状態に陥ったせいで、の念がイルミの処置を超え、再度の体を蝕む。 何でもっと早く気がつけなかったのか、見てるだけだったのか。いまさら言ったって遅いけど。 内心焦って、すばやく針を取り出す。 しかしはそれを暗殺の道具と見てしまったらしく、またイルミには理解不能な言葉を吐き出す。 しかも今度は、生きることを諦めたような、無力な声で。イルミに向かって言うのだ。痛くないように、ひとおもいに、と。 イルミは、生きることを諦めたかのように静かに瞼を下ろしたの、隠れてしまった瞳を思い出した。 同じ黒色なのに自分よりも暖かな瞳を、向き合うといつも自分を真っ直ぐに写したの双眸を想う。 その瞳から、光を消す? 誰が? 自分が? なんで? ナニソレ、何でさ。(確かに殺しで針使うけど) って本当によく分からない。イルミは心の中だけで呟く。 異世界人とか、そういうことではなくて。理解しようと思っても出来ない。 (俺、が人を理解しようってこと、滅多にないのに) 理解不能な少女に苛立ちではなく疑問ばかりを感じながらも、手は針を無意識に器用に動かしての念の動きをコントロールする。 最後に眉間に針を刺して、やっと息をつく。コレでひとまずは大丈夫。興奮したり、暴れない限り。 は唐突なイルミの行動や体調の変化、見えるようになった念に混乱しているようで、先ほどのように喚きだすようなことはないようだ。 それでも一応念をさす。 「だから、あんまり暴れないでね」 そう言った時にははまたベットにその身を横たえていた。 額に手を当てる。熱はない。呼吸も落ち着いているので、疲れが出ただけだろう。 それを確認するとイルミは思わず身体の緊張を解き、ベット脇のいすに座りなおした。 よかった。 ―――でも。 もともと1話予定の話が、あっという間に3話分に拡大された理不尽。 何でだー!! (泣) とゆーかコレでもまだまだ無自覚だと言い張る管理人です・・・。 |