「もういやだっ!!」

何もかも、すべて。
そう思って叫んだ、と思った瞬間、わたしは世界がぐらりと揺れたのを感じた。

地震。

? 大丈夫?」

違う。違った。
揺れたのは世界ではなく、わたし。
ひとつの完全な世界がしっかりと完結している中で、確かな足場がなくイルミさんというただひとつの支えにしがみついてふらついている、わたし。

倒れこんだベットの上、滲んだ視界の端ににぶい銀が光った。
それはきっとイルミさんが毎日のように手入れしていた、いわゆる商売道具。
暗殺の、道具。

「・・・・・・・・・ころ、す?」

きっとそうなんだ。お荷物なんだ邪魔者なんだわたしは。
こんなこと聞かなくったって殺されると言う事実は変わることのない、決定された未来だろう。
そもそも Yes 以外の答えが返ってこないどころか、 Yes というその一言すら抜きに始末されるかも分からない。
それでもわたしの口は思考回路を裏切って勝手に動いていた。

「だ・・・たらせめて」

痛くないよーにして、ください。

せめて。
本当にせめて。
それくらいの情けはかけてほしい。

静かに目をつむって、力を抜く。
もういい。この世界で殺されるのならそれでも、いい。
無気力な思考は体力をも削るのだろうか、身体がだるい。

さぁ最期のカウントダウン。
いーち、にーぃ、さぁ・・・





「ねえ、何で俺がを殺すの」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

カウントダウンを中止して思わずもれた間抜け声。
目を開けるとそこにイルミさんの、本当に純粋に疑問だと言う顔があった。
少し分かりにくいけれど、大きな黒い猫目はさらに少しだけ大きく見開かれているこの表情は、本当にわたしの言っていることが分からないのだと物語っている。

「・・・だって、針」

今更何を。

以前初めて見たとき、暗殺に使うものだとハッキリと答えていたではないか。
あんなに冷たい目でわたしを睨んではないか。
それなのに、なぜ。

沈黙が痛い。
イルミさんはわたしの返答を待つかのように黙りこくってしまうし、わたしはわたしで混乱してしまっていて、何を言えばいいのか分からない。
ただただ二人して、馬鹿みたいにお互いを見つめ合った。

沈黙を破ったのは、出会ったあの日のようにイルミさんだった。

「とにかく、身体なんか変じゃない?」

へん?
そりゃあ変と言えば変ですけども。
一度死を受け入れて脱力した身体はやけに重たく、だるい。
しかもだんだん時間を追うごとにつらくなってきている。
上半身を起き上がらせようとするどころか、今じゃ指一本でも怪しい。

「・・・はぃ」

持ち主の言うことを聞こうともしない身体を何とか動かし、イルミさんに頷く。
何で分かったんだろう。
倒れたから?

「今からそれ治療するから」
「え?」
「力抜いてて」
「あ、あの、あのあの? ちょ、ま」

ぼぉっと意味もない思考に浸っていると、イルミさんがいきなり針を構えた。
了承の返事をするまもなく、自分の説明なしの台詞終わるや否やのスピードでその銀針をわたしの身体中に何回も、何回も差し込む。
いた、くない。チクチクという感触はあるがそれは痛いと言うよりむしろむずがゆい。
針がわたしの身体に刺さって抜かれるその度に抜けていた力がまたわきあがってくるような感じがして驚いていると、イルミさんは最後に眉間に針を向けてきた。
じんじんじんじん・・・あ、既視感。

「ハイ、これで終わり」

治療? をされている間、わたしは怖くって目を瞑っていた。だって怖いし自分が指されるところ見るの。
でもなんだかすごく身体がすっきりした。
手のひらをグーパーしてみる。
これは。とそんな目線を針をしまいこんでいるイルミさんに向けると、何かがオカシイ。
何か違う。見えないはずのものが見える、白い靄。
イルミさんの身体の回りをかすかに波打って静かに漂うそれをよく見ようと、回復した身体に力を入れて身体を起こすと、わたしの上にも纏わり付いている。
足にも胴体にも、手にも。動かすと一緒になってふよふよ動く。

「な、に・・・コレ」
「念」
「・・・ネン?」
「端的に言えば生命エネルギー、かな。今は俺が塞き止めてるけど、興奮すると漏れ出してなくなっちゃうから」

だから、あんまり暴れないでね。
そうイルミさんが言ったのを聞いたのが、その日の最後の記憶。




















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げっほげっほげっぐはっ(吐血)
一人称で登場人物二人っきりでイベントは終了済みアンニョイ&ネガティブ・・・イコール強制話題変更レッツゴーv

すいません、いろんなこと丸投げしてます、みんなして。