役立たず。

と、心の中でつぶやいても、はたまた口に出しても結果は変わらない。
それでもこう思わずにはいられない。

あぁ、なんて役立たずなんだろうって。





短距離の瞬発力も長距離の持久力もまったくなし。
スピード? そんなの言わずもがな。
腕力だってないし。
強いてあげれば柔軟力? ってぐらい。いやホント強いてあげれば、だけど。

ほら、またイルミさんがため息をついた。
笑うしかないじゃん、あはははは。

「笑ってる場合じゃないんだけど」
「・・・はい」

お笑いへの道速攻否定。
しかしさすがにこう毎日同じ様な問答を繰り返していれば、いらついたイルミさんに針を構えられることもなくなった。なんか、色々とあきらめたんだって。人間の適応能力に感心することしきりです。

そういえば、わたしを拾ってくれたお兄さん、名前はイルミ・ゾルディックって、いうそうです。日本語がめちゃくちゃ通じるのに、日本と違ってイルミが名前でゾルディックが姓だとか。
しかしやっぱりどこかで聞き覚えがありそうな名前。
名前聞く前は「お兄さん」って呼んでいたんだけど、「こんな手間のかかる妹はいらない」って言われちゃいました。
イルミさんって、素でキツイこと言うよね。

「こんなんじゃ、一日ともたないよ?」
「師匠、それって何、基準にしてる、んですか・・・」
「ん・・・ハンターとか、裏家業の人とか」

だって俺、一般人のレベルなんて気にしたことないし。って、それはいいとして。
じゃあイルミさんは自分が一般人の枠超えてる自覚あったんですね、何者だよあんたとか突っ込みたいけど、うん、それもほっといて。

「ハンター、は何か資格取っ・・・とけば便利なん、ですよ・・・ね?」
「うん。ある種の身分証明だし」
「でも、何っで裏家業の、まで視野に入れっきゃいけない・・・ですかっ」

イルミさんはこれでもかーなーりっ、手加減してくれているみたいだけど、わたしの身体は一時間に一回は休憩が必要になる。
とてもじゃないけど、なんて言ってられない。絶対必要。死んじゃう。ぜーはーぜー。
わたしとしてはハンター証? ってのが取れる、ぎりぎりのラインでいいんですけど・・・
取れたらさっさと隠遁生活送る所存です。質屋はどこだ、でもそしたら身分証明ができなくなる。どうするアイ●ル!!

「言ってなかった?」
「何が、ですか」

コップにやかんから水を注ぐ。あぁ、面倒くさい。直接口付けちゃおうかな、どうせイルミさんに水分補給必要ないし。そう思ったときには既にグビッっといっていた。
もう、台所まで行く気力もない。かといって、イルミさんが飲み物持ってきてくれるなんて期待するほど学習能力ないわけじゃない。
冷たい水が喉を潤し五臓六腑に染み渡る感覚。んー、やっぱり高原って水がおいしいね。

「俺、暗殺者だよ」
「・・・っ!?」

・・・あ、あぶない。
もう少しで器官に水が入るところでした。

けど、何でスト? 暗殺者?
英語で言うところのアサシン? アサッスィン!?
いやいや、発音よさげに言っても意味は変わらないし。あくまでよさげだし。英語3以下のみだし。

「まさか暗殺者って何、とか言わないよね?」
「・・・言いたい気分?」

一拍置いてイルミさんは説明しだそうとした。

「あのね、暗殺者は暗殺をする人のことで、暗殺はひ」
「分かってますから。大丈夫ですから」

乙女の機微ぐらい通じて下さい、頼むから。こんなことが乙女の機微かは別として。





やっぱイルミさんって言葉が通じないっていうか、天然というか。
ぱっと見、世間知らずのお坊ちゃんなんだよなぁ・・・




















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終わらしてから気付いた、名前変換ないや。(楽っちゃ楽)