一仕事終えた後明け方、わざわざ家まで帰るのが面倒で。










なにこれ。
イルミはいつも通りの無表情に少しだけ困惑の色を浮かべて呟いた。

約1年半ぶりの別荘。青々とした草(含毒)が茂る庭。
そこまでは自分が覚えているままの風景だ。
ただ、パジャマ姿の少女が倒れていなければ、の話だが。
とりあえず凝。うん、危険なし。

まぁいいや。

少々の例外を除けば万事事なかれ主義の彼は、最低限確かめることを確かめると、後で考えようと家に入り、浴室に足を運んだ。





「あれ、まだいる」

軽くシャワーを浴びた後、窓の外を覗くと、やはりまだピンク色の塊が見えた。
死んでいるのかと思ったが、ほんのかすかに気配を研ぎ澄ませば、容易に生きていることが知れる。
どこからか歩いてきたのかとも思ったが素足で、しかも足の裏はまったく汚れていない。そもそも庭のトラップがひとつも作動していないことにいまさらながらイルミは疑問を覚えた。

庭に出て、直接少女を観察してみた。

「・・・ん、ぅん」

「きみ、誰」

昇り始めた朝日がまぶしいのか、少女がうめき声を漏らして目を開けようとする。
イルミは無意識に少女の退路を断つように覆いかかって手足を押さえた。










拾った少女は、端的に言えば変だった。
自分は異世界から来たのかもしれないと、そう言うのだ。
たしかに、世界地図も共通語であるハンター文字も、彼女にとっては未知のものらしい。
再度凝をしてみたが、念使いには見えない。どの世界の人間だろうが、戦闘に関してはド素人。

うん。それならいっか。

自分や家族の害にはならない。ならばいい。邪魔になれば殺せばいい。
イルミはイルミなりの基準でと名乗る少女を判断した。

それならそうと。

「どうしよっか」

そう訊ねると、はきょとんとした顔でイルミの顔を見た。

「・・・どう、とは?」
「ん? そのまんま」

イルミが少し首をかしげながら再度訊ねると、は頬に朱を散らした。
なんかさっきから簡単に顔色が変わって面白い。
イルミはほんのかすかに、表情を緩めた。

「つまりさ、って身寄りないんだろ?」

その言葉にはうなずくと、今度はだんだん顔色が青白くなっていった。
赤かったり青かったり、うん面白い。イルミは心の中でそう感想を漏らした。

面白いから、飼ってみよう。

異世界から迷い込んだ少女のこれからは、今マイペースな殺し屋の心の中で勝手に決められたのであった。




















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無意識で手足を押さえる、組み敷く・・・押し倒す?(激しく違う)